46.【我が家のお雛様(とのまる一家)】

不信感を抱くとのまるの画像とのまるのお話。

どうも!とのまるです!

前々回は、節分のお話をしましたが、3月と言えばお雛祭りですね。

ぼくには、関係のないお祭りですが、我が家の玄関にも、お内裏様とお雛様だけは飾られています。

ですが、お散歩の時にぼくが見た、お店の前に飾られていた雛人形と、我が家の玄関に置いてある雛人形では、何か雰囲気が違います。いや、向きが違うのです。

玄関の雛人形を見つめるぼく。

「あっ!とのちゃん!今、お雛様たち見てたっしょ!?気になる?気になる?」

ぼくを抱っこし、近くで見せるあねまる。

”あの~家の雛人形の置き方は間違っているようです”

あねまるに教えてあげるぼく。

「あっ!向きのこと?家のはこれでいいの!だって楽しそうじゃん♪」

何十年も昔から、毎年雛人形を飾ってきた一家ですが、ある時あねまるが、

「年に一度この時期にしか会えないのに、お内裏様とお雛様は、お互いの顔を見たことがないんじゃないのか!?」

ふと、そう思ったようで、だいぶ昔から、家のお雛様たちは年に一度こんな感じで向き合って、置かれているそうです。

確かに、いつ通りかかっても、楽しそうに話しているように見えます。

それが微笑ましくもあり、恐ろしくもあり・・・

「今年もわたくしたちの季節がやって参りましたね♪」

「そなたは今年も変わらず美しいのぉー」

「お内裏様こそ変わらず素敵にござります・・・♡」

2人の会話をぼくに通訳するあねまる。

いつの間にか隣で一緒に聞いているははまる。

「そなたに会えるのを、今年も楽しみにしておったぞ!今宵は酒でも飲みながら語り明かそうぞ」

「はい♪お内裏様」

しばしの沈黙のあと・・・

「そういえばわたくし、先日美しいダイヤ・・アッ!玉(ぎょく)を見つけましたの♡」

「そうかそうか。良いぞ良いぞ。買ってやろう!」

「そういえばわたくし、乗ってみたいバイク・・アッ!馬がござりますの♪」

「そうかそうか。良いぞ良いぞ。そなたの為じゃ!好きな馬を買ってやろう!」

「そういえばわたくし、乗ってみたい車・・アッ!牛車もござりますの♪」

「そうかそうか。良いぞ良いぞ。そなたの為じゃ!豪華な牛車を買ってやろう!」

「そういえばわたくし・・・・・・」

お雛様から始まる、永遠に止まらない2人の会話に爆笑するははまる。

長々と2人の会話を聞き続けるぼく。最後の方の会話など・・・

「そういえばわたくし、歯をすべてセラミックに変えてみたいのでござりまする・・・」

「そうか。そうか。セラミックとな?よく分らぬが、何でも好きにすれば良い!」

昔の言葉とは思えないセラミックという響きに、不信感を抱くぼく。

”本当にそれってお雛様たちが言ってるとですか?”

不信感を抱くとのまるの画像
不信感を抱く とのまる

あねまるに不審な目を向けるぼく。

「今年も楽しゅうございました♡」

「来年もそなたに会えるのを楽しみにしておるぞ!」

終始楽しそうなお雛様に、最後まで器の大きすぎるお内裏様。

「ねーっ!とのちゃん、今年も家のお雛様たち幸せそうだったっしょ♪いいね♪いいね♪良かったね!」

満足気なお雛様とあねまる。

どうやら、長年あねまるのお雛様でいたせいか、家のお雛様は少々欲深くなってしまったようです。

こうしてとのまる一家のお雛祭りは今年も無事に過ぎていきました。

「来年は、母上の事もよろしゅうお頼み申します♪」

仕舞いぎわに、ははまるの一言。

いつか、お内裏様が出て来なくなる日が来るのではないかと、心配しているぼくです。


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