36.【ダスキンの方に心から感謝する犬とその家族】

とのまるのお話。

「すみません。あの~コチラで間違いないでしょうか?」

一週間ほど前のある日、2人で春巻きを作っていたははまると、あねまるは、玄関から聞こえる声に「?」と思いながら出てみると・・・

そこには、ぼくを抱えた華奢な女性の姿が・・・

「ハッ!?」「エッ!?」「と、との・・・!?」

状況が分からず、困惑する2人。

「あの、道路を横断しようとしていたので、危ないなぁ~と思って近づいてみたら、喜んで寄って来て抱きついてきたので、そのまま抱っこして、近所の方に尋ねたところ、コチラではないかとのことでしたので・・・」

倒れそうになる、ははまるとあねまる。

「ハッ!!なんてこった!」

「すみません!!ありがとうございます!本当にありがとうございます!!」

ひとしきり女性に感謝した後、

「アンタいつ出て行ったのよ!?」「いつからよ!!」

普通にぼくに尋問する2人。

ちょっと気まずい顔をするぼく。

「名前はなんて言うんですか?」

「アッ!とのまるです。ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありまん。」

「わぁ~とのまるくん!!良かったね!とのまるくん!」

そういってぼくをナデナデしてくれる女性。

「首輪をしていなかったので、あら?っと思ったんですけど、喜んで抱きついてきたので飼い犬だわ!と思いました!」

「もう本当にすみません。私がさっき、シソの葉を取りに玄関から出て、家の周りをぐるっとして、裏から入って来たものだから、あの時一緒に出ていたのだと思います。」と、ははまる。

いろいろ話している3人を見上げながら シッポを振ってルンルンしているぼく。

「何はともあれ良かった良かった!じゃあねーとのまるくん!またねー!」

そう言って去って行く女性に頭を下げるははまるとあねまる。

「もぉーー!とのぉーー!春巻きづくりに夢中で、アンタがいないの気づかんかったぁ!ごめんね。無事で良かったーー!」

あねまるに抱きしめられチュッチュされるぼく。

「もぉー!!アンタはっ!!」怒りながらも、やはり頭をナデナデしてくるははまる。

しばしのふれ合いタイムが終わると、2人はぼくを車に乗せ、再びあの女性の元へお礼を言いに行きました。

車の中のぼくを見て、「あー!!とのまるくん!」と、駆け寄ってくれる女性。

さっきぶりの再会に喜ぶぼく。帰りの道すがら、

「もぉー本当にさぁーこの暑い日に、こんなにも重たい、暑苦しいモフモフした生き物を抱っこして、わざわざ坂を上って家まで届けてくれたなんて、天使のような人よね」

女性を思い出しウルウルしているあねまる。

「本当よ。とのまるのせいで事故が起きたり、このまま行方不明にでもなってたら、今日から地獄の日々だったわよ。」と、ははまる。

因みに、ぼくを救ってくれたあの女性は、ぼくの家を下った道路沿いにあるダスキンの会社の方でした。

あの日以来、ダスキンの会社の前を通る度に

「本当にありがとうございました」と頭を下げ、呟いているとのまる一家です。

以前、”ぼくは首輪を付けると変になってしまう”というお話をしましたが (ぼく、とのまるのイヤな事)

野良犬と間違われかけたぼくを、これ以上このままにはしておけないと、ぼくに気づかれないほど軽いもので・・・という案により、ははまるお手製のレース編みの首輪が作成されました。

今まで以上に、ぼくに目を光らせているとのまる一家ですが、もしもどこかで、レース編みの首輪をした大きめのモフモフした犬を見かけたら抱っこしてください。抱っこ。抱っこ。

”あっ!反省しとるとです!すみませんです”


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とのまる日記

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