さて、ぽん太さんを家族にしようと考えていた2人にとって、大変な衝撃を受ける日がやってきます。
その日も、いつも通りにやって来たぽん太さんへ
「はいは~い!よく来たね~”」
と、ぽん太セットを抱えて駆け寄るあねまるだったそうですが、一言
「お母さんっ!!」
とははまるを呼ぶ声が聞こえた後からシ~ン。としていたそうです。
異変を感じたははまるが、急いで玄関へ向かうと・・・
あねまるは玄関で爆笑して、立ち上がれなくなっていたといいます。
あねまるが指さす方を見ると、いつも通りぽん太さんが座っていて、何の変わりもない様子。
「何ね!?ビックリするたい!」
と怒るははまるでしたが、
あねまるが息も絶え絶えに
「よく見て!」
というので、下へ降りて言われた通りよく見てみると、なんとぽん太さんの首には、首輪がされていたのでした。
呆気にとられるははまる。
そして、一度クスっと笑ったら、止まらなくなった2人は、しばらくの間、玄関で涙を流しながら爆笑していたそうであります。
やっと落ち着きを取り戻したははまるが一言。
「あんたどこの子ね?」
その一言に、またも笑いの止まらないあねまる。
いつも通り
「ヴェェ~~~」
と鳴くぽん太さん。
そういえば昨日の回覧板に、飼い猫には首輪をするようにって書いてあったなぁ~と同時に思い出す2人。
そして、日課のおもてなしを受けると、ぽん太さんは、その日もルンルンで帰っていったのでした。
そんなこんなで、ぽん太さんはととまる一家へ入り損ねたといいますか、入らずに済んだそうであります。
「だいたい、はじめっから人懐っこかと思ったもん!」
と強がるははまる。
「いやいや。あんなにヒドイ状態の飼い猫なんて普通いないっしょ!?」
と不思議がるあねまる。
「お前たちにはブサイクか生き物ばかりが寄ってくる!」
と、2人をバカにするととまる。
「ぽん太みたいに可愛い猫今まで見たことありませんけど?」
と更に不思議がるあねまる。
その後、ははまるが近所の人たちにぽん太さんの事について聞いてみたところ、大体の人が
「あ~!あの、のっそりのっそりしとるブサイクな猫でしょ?いつも見かける!シッシッって言っても動かんし、好かんた~い!」
と何やら意外な反応。
その度に
「いや。あの猫はたいぎゃ可愛かっですよ!?」
と謎に庇うははまる。
ただ、どれだけ聞いても、
「だいたいあの辺の人が飼っとる猫だと思う」
という曖昧な情報しか得られないまま、首輪をつけたり外したりなぽん太さんは、今でもとのまる一家の通いネコとして可愛がられているのでした。
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