どうも。とのまるです。
そういえば、ぼくのお友だちを紹介するのを忘れていました。
ぼくがこの家に来るずっと前から、あねまるとお友だちのぽん太さんです。
ぽん太さんは、ある日ボロボロな状態でうちの前の坂をトボトボと歩いていたそうです。
あねまるは、ゆっくり通り過ぎるそれが、何の生き物なのか分からずに、そろそろと後ろを付いていったそうであります。
もの凄くやつれていて、毛もまだらで、目もベタベタで ほとんど開いていなくって、しっぽは丸く短くて、初めて見た時あねまるは 、”野生のタヌキに出会ったかもしれん”と思ったそうです。
あまりにもボロボロな姿だったので心配になったあねまるは、急いでお家へ戻ると、ごてん殿が食べていたフードを少しだけあげてみたそうです。
最初は警戒して近寄らなかったぽん太さんですが、フードを食べると少し元気になったようで、ものすごくハスキーな低い声で
「ヴェェ~~~」
というと、また歩き出してその日は 帰っていったそうです。
ははまるもまた、その様子を遠くで見守っていたといいます。
あねまるは、
「元気でね」
とぽん太さんに伝えると、急いでははまるの所へ戻ってきて
「今のなんだった!?」
と聞いたそうであります。
「はっ!?猫でしょ?」
と驚きの表情でははまるが伝えると、
「なるほどヤマネコか~」
と嬉しそうにしていたそうです。
なんとあねまるは、超近距離で対面したにもかかわらず、その間ずっと タヌキなのか猫なのか 必死に考えていて、見送るまでの間にとうとう分からないまま戻って来ていたのでした。
ぼくが言うのもなんですが、あねまるは時々変です。
その後も度々ぽん太さんは、家の前をトボトボと歩く姿が目撃され、その度に傷だらけなので、あねまるは獣医さんから薬を貰い、目薬を差してあげたり、傷だらけの体に軟膏を塗ってあげたり、いつの間にか 玄関には、ぽん太セットなるものが常備されるようになったそうです。
ぽん太セットには猫用の餌と、ブラシと、ウェットティッシュやお薬が入っています。
ぽん太さんは、ご飯を食べて、お顔や体を拭かれ、目薬をさされ、軟膏を塗られて、ブラッシングをされて 、日に日に元気に、そして可愛くなっていったといいます。
今ではどこからどう見ても立派な猫さんです。
ごてん殿が亡くなってすぐの事で、
「もう犬は・・・」
と、傷心の2人は、このタイミングで出会ったのも何かの縁とばかりに、”家の子にしてしまおう!”と考えていたのだといいます。
ただ、一連のおもてなしを受けるとぽん太さんは”帰る帰る!”と、訴えて出て行ってしまっていたそうで・・・
そんなある日、思いもよらない出来事が起こります。
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