7. 【ぼくの名前はどうなるの?~命名の儀~】

マルックスのとのまるとのまるのお話。

そういえばぼくの名前は最初”マル”でした。

ぼくのことをじーっと見ながら、シーンとなって、みんなそれぞれ考えていたけれど・・・

「ほんとに何も思いつかんね~」

と、ははまる。

「でも何か決めないと、呼ぶにも呼べないよねぇ~」

と、あねまる。

「なんでもよか!もうマルでよかたい!」

と、投げやりなととまる。

”こんな適当なととまる案に決まるわけないし!”

と思いつつ、余裕の表情でととまるの方を見るぼく。

しかし・・・

「うんうん。マルックスだしね~!」

「マルってかわいかね!」

と以外にも賛同する2人。

そしてあっさりと、ぼくはの名前は”マル”になったのでした。

さて、マルになって、一週間ほど経ったある日のこと。

実はぼく、あれからずーっと興奮仕切りで、暴れまくり、噛みまくり、吠えまくり、壊しまくりという日々を送っていて、ととまる一家は、全員寝不足。特にあねまるは寝不足+傷だらけという状態でした。

今ではこんなに落ち着いて、優しくなったぼくだけど、来た当時は、いつもソワソワしていて、少しもじっとしていることができませんでした。

抱っこされたら噛みついて、ひっかいて、何でも口に入れては食べたり、壊したりしてしまうので、一日中少しも目が離せなかったようであります。

その日も、朝から暴れっぱなしで、噛み放題、壊し放題、怒られても何にも聞いていない僕でしたが・・・

「飯くらいゆっくり食わせろ!」

と、とうとうご飯の時間にキレるととまる。

「私が選びました」

と申し訳ない様子のははまる。

「あ~もう!ゆっくり抱っこもできないし、チューしたら顔噛むし、呼んでも振り向きもしないし、何より一度も目が合わないし~!寂しさが限界なんですけど・・・」

とやけくそになるあねまる。

「手ですらこんなに噛むとに 何で あんた 顔からいくの!?危なかたい!」

とあねまるを叱るははまる。

そんな会話の最中で、ふとあねまるを見上げた時に、ぼくは、初めてあねまると視線が合ったのでした。

歓喜するあねまる。そして、

「侍のような眼をしとる!いやこの目は殿様だ!」

と呟くと突然、

「今日からとのまるに改名致します!!」

と宣言したのでした。

「俺はマルてしか呼ばんばい!」

と、頑ななととまるの意見など一切きいていないあねまるは、

「との~との~とのまる~」

と、嬉しそうに僕のことを呼びながら、

「今まで、誰かと一緒に 寝たり、撫でられたり、抱っこされたりしてこなかったから、とのまるも嫌だよね~安心できないよね。ごめんね~」

と言いながら、相変わらずぼくを抱っこしては引っかかれ、チューしては顔を噛まれ、それでも毎日ミミズばれの手はいつでもぼくを撫でるのでした。


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とのまるのお話。
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とのまる日記

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