そんなこんなでお家にやってきたぼく、とのまるです。
因みに、この時ぼくにはまだ名前がついていません。
ホームセンターのペットコーナーで保険に加入した際に、ペットのお名前を書く欄というのがあったのだけれど、ははまるとあねまるは、ぼくを真剣に見つめながら暫く考えた挙句
「ん~ダメだ!今は何にも思いつかない!」
と諦めて、せっせとぼくのごはんや、ケージやお洋服を買い揃えると、ぼくの頭をなでなでしながら
「お家に帰ってじっくり考えようね~」
と言いました。
「た~だいまっ!」
と、いつもよりも更にテンション高めの、ははまるとあねまるの声に早速出てきたととまるは、ぼくを見るなり
「本当に買ってきたの!?こっ・・・これは一体何犬や!?」
と、多少のショックを受けながら、2人に尋ねました。
この、
「一体何犬ですか?」
という質問は、これからぼくが出会った方々ほぼ全員に問われるものとなるのですが、この言葉を最初に言ったのが、このととまるでした。
ととまるも、先代わんこのごてん殿を息子のように可愛がっておられたそうで、ごてん殿を亡くして以来、
「あんな奴とは二度と出会えん・・・もう犬は飼えん・・・」
と言っていたらしいのですが、そんなととまるの前に、突然、何の相談もなしに、ほとんど成長しきった、何犬かも一目に分らぬ犬を連れてこられた、ととまるの衝撃は、相当なものだったといいます。
この3年、
「ごてんが俺の人生最後の犬、いや。息子だ!」
とばかりに思っていたととまるは、瞬時に
「このなんとも分らぬ犬が俺の人生最後の犬になるのか!?」
と考えたそうでございます。
そんなこととはつゆ知らず
「マルチーズとダックスのミックスで、マルックスっていうんだって~面白いね~!しかも一万円~ハハハッ!」
っとははまる。
「今日から家族になりましたぁ~」
とぼくを抱っこしたまま、ととまるに向かって、ぼくの手を振って見せるあねまる。
そしてあねまるがぼくを、地面に下した瞬間、ぼくはととまるに向かって猛ダッシュで走り出したのでした。
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