「んっ?何っ?今ムギュっとしたものは・・・?」
荷物を運びながらぼくの方を振り返るあねまる・・・
ゆっくりと手を引っ込めるぼく。
「んああぁぁぁぁーーーっ!!とのちゃん!!」
「ごめんごめん!!どら?おてて見せてみ?痛かったね?ごめんね!」
そう言いながら荷物を投げ捨て、ぼくのおててをなでなでするあねまる。
いつもあねまると行動を共にしている僕ですが、近づきすぎると、時々こういう事が起こります。
「もーっ!!踏まれたのに何で黙ってるのよー!!ワウ!とかキャン!とか何とか言えばいいのにー!とのちゃんごめんね?噛んでいいんだよ?ほれ。噛んでみー?怒ってみー?」
ぼくのおててをなでなでしながら、ぼくに仕返しをさせようとするあねまる。
そんなあねまるをジッと見つめるぼく。
「はぁ~とのちゃ~ん!何?その優しいおめめは・・・」
「なんね?なんね?どうしたと?」
騒動を聞きつけてやってきたははまる。
「お母さーん、私とのちゃんのおてて踏んじゃったんだけど・・・結構ムギュってするくらい踏んじゃったんだけど・・・大丈夫?」
謝りながらぼくのおててにチュッチュしているあねまる。
「ちょっと歩かせてみてごらん?」
ははまるに言われ、あねまるの腕の中からゆっくりと床におろされるぼく。
普通に歩いてみせると、再びあねまるに飛びつき、抱っこ抱っこと飛び跳ねます♪
「な~んね!どぎゃんもなかたい!!」
ははまるの言葉と、ぼくの動きに安心した様子のあねまる。
が、しばらくすると少々深刻な顔をしながらぼくを抱き上げ
「とのちゃん、痛い時は痛いって言わなきゃダメだよ?嫌な事されたらちゃんと怒っていいんだよ?
私には噛んでもいいんだよ?我慢しちゃだめだよ?」
お顔とお顔をスリスリしながらそう言うと、ぼくを抱きしめて、またゆっくりと床へおろしました。
あねまるは、ぼくが他のワンコさんに追われたり、噛まれそうになったりしても、絶対に怒ったり、噛もうとしないことや、人に対しても一度も怒ったことがないことが、ずっと気になっていたようです。
そういえばいつもあねまるは、
「とのちゃん、何でこんな優しい子に育っちゃったんだろう?不思議~」
と、ゴロゴロしながら言ってきます。
優しいというか、甘えん坊に育ってしまっただけのような気もしますが・・・ ぼくは、怒れない性格なのかもしれません♪
人間の皆様は、どうですか?
嫌なことは無理してしなくても、行きたくない所へ無理していかなくても、付き合いたくない相手と無理して付き合わなくても、いいそうですよ!!
自分がウキウキする方を常に選択して生きていけばよいのだと。
家のワガママなあねまるがそう言っていました♪(笑)
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